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Risako Nakamura

9月3日

 夏季休業に突入した瞬間、毎朝9時起床の享楽的生活を送っていた私に降りかかる最初の難題それは…早起き。

大阪の天満駅にあるホテルダイキの集合時刻は11時15分…、けして朝早いとは言えないものの、当たり前ですが9時に起床しては間に合いません。

 久しぶりにアラームを設定し眠い目をこすって起床し新幹線に乗ります。

初めての一人新幹線でしたがあまり緊張してはいなかったものの、指定席の車両を間違え初っ端からしくじります。サラリーマンのおじさんゴメンナサイ…。

 同じ車両でゼミ生のみなみちゃんを発見。

別人だったらどうしよう(チキン)ということでその場で声をかけることはせず、

LINEで確認をとってから、新大阪に到着後宿までともに向かう約束を取り付けます。

方向音痴なので到着するか不安でしたが、迷うこともなく10分ほど早めに到着しました。

 

最初に向かうは昼食。

よくTVに登場するという天神橋筋商店街のたこ焼き屋さんに入店。

本場のたこ焼きは美味しくて、生地と焼き方、味付けが異なるようです。

味はソースのみならず醤油もあり、さっぱり食べ合わせがよかったです。

昼食をとって気力を充実させた後向かうは『岡崎京子展』。

 

伊丹駅を出てから少し歩きます。

日光に照らされて、引きこもりがちな私はもういっぱいいっぱい、

おしゃれなタリーズで一服したいようという心の声を無視し歩き続けます。

 岡崎京子先生…同年代の認知度はいかほどなのでしょう。

私が彼女の名を初めて認識したのは今回ではなく、

実は宮本先生の『日本漫画史』という授業内で彼女の『ヘルタースケルター』がグループの課題作品となったことがきっかけでした。

私が趣味で読む漫画はどちらかというと少年漫画よりなので、

大人の女性向け…ブラックユーモアやアンダーグラウンドの作品を目にする機会はなく、

彼女の作品を通して読者に投げかけてくる視線にぞっとした記憶があります。

 私は流行に疎いため、岡崎先生の女性のファッション方面で発揮される最先端を感じ取る力に恐れをなしました。

先生の作品に登場する女性主人公は一癖も二癖もあって、

自己投影や共感を思い切り呼ぶようなタイプではありませんが、

少しだけ“わかるな…”と頷いてしまうところがあります。

それは女性がもつ性質や価値観を切り取ってわかりやすく極端なまでに鋭くされたキャラクターであるからでしょう。

目を覆いたくなるほど見苦しい姿をありのままに書くから読者は心動かされずにはいられないのだと思いました。

 

続いて向かったのは海遊館。

 

この場所は初めてで胸の高鳴りが抑えきれません。

海の生物はいい。見ているととても癒される。

特に好きなのは魚類よりも海に生きることを選択した鳥類や哺乳類。

海に生きる鳥類といえばペンギン。

ゼミ生でペンギン好きがいるためつい霞んでしまうが私もペンギンは好きだ。

知識もなくただ漠然と好きが溢れてしまう感じだが、

地上は短い足でぺたぺたと歩くのに、海に入ると大空で滑空する鳥のように、

短い羽を羽ばたかし獲物を捕らえるそのギャップ、堪りません。

哺乳類はイルカやクジラ、アシカ、ラッコ、アザラシなど…様々なものがいるものの、

最近水族館アイドルとして人気なのはなんといってもカワウソでしょう。

カワウソ嫌いな人なんているのでしょうか、

いるとしたら大衆が好き好きいっているものにつられて好き好きいうのってダサいわ~っていう

偏屈な人しかいないのではないかってくらいカワウソはカワイイです。

海遊館に入ってすぐカワウソは展示されていましたが写真を撮る人だかりができていました。

カワウソは本来生命力が強く都心でも生活できるような生き物ですが、

人間による捕獲でご存知の通り日本では既に絶滅してしまいました。

人間が滅ぼした種を今度は珍しがってかわいいかわいいとパシャパシャ写真に撮るとは、何とも業が深い…。

 

海遊館を出発すると通天閣へ向かいます。

お決まりの撮影スポットでパシャリ、と夜の通天閣をカメラに収めようとしたものの、

まさかの工事中で味気のない写真になってしまいました。

でも逆に光っていない通天閣は珍しい。

解散してフィールドワークと夜ごはんを楽しみます。

通天閣といったら串カツですよね、串カツ食べない通天閣の夜なんてないですよね、

ということで串カツ屋さんにて夜ご飯を食べました。

お店を選ぶときって皆さん何を基準に選んでいるのでしょうか。

普通は食べたいもの、で選んでいると思いますが、

今回のように串カツと決まっている場合は、お店の雰囲気や混雑具合で選んでいるのでしょうか。

並ぶことが好きな人間はなかなかいないと思いますが、

お食事屋さんを選ぶ際には並んでいるお店をついチェックしてしまうことってありませんか。

 

私は人だかりができていたら、美味しいのかな?と野次馬みたいに覗き込んでしまいます。

並ぶこと自体はそれほど苦に感じないので、時間があったら並んで美味しいものを食べたいタイプです。

今回は並んでいるお店だと時間がなく、適度に混んでいて人が入っていそうなお店を選びましたが…。

皆がカツ類だけを食べる中、私は白米もオーダーしてもぐもぐ。関西は粉ものフィーバーですが、白米が恋しくなってしまいます…。

 

 

フィールドワークを終えて通天閣の展望台へ向かいます。

通天閣の高さは100mくらいで東京タワーの半分しかありませんが怖さは意外とあるらしい。

ゼミ生の普段高所恐怖症ではない子がなぜか怖いと言っておりましたが、

その話を高所恐怖症の友人に話してみたところ、

あまり高くないと地上がリアルに見えるから逆に怖いと言っていたので、

そういう効果があるんだなぁと思いました。

飛行機のふわっとする瞬間は怖いけど、高くなりすぎると逆に安心するとか。

私は高所による恐怖に敏感ではないので、そういう感じ方は興味深いです。

 

通天閣見学を終えるとグリコの看板前で写真を撮り、ついに寄宿します。

ホテルダイキさんには猫が暮らしているようでロビーでくつろいでいました。

か、かわいい。部屋に行くと真っ先にお風呂に入り最初に就寝しました。おやすみなさい。

 

9月4日

何とか起床し、本日は最初に太秦映画村へ。

映画村はコスプレの撮影を許可している日があり、本日はどうやらその日でした。

『ナルト』や『刀剣乱舞』、『銀魂』のレイヤーさんが

江戸の町並みで撮影している様子を間近で見た私は胸の高鳴りが抑えられませんでした。

映画村では様々なアトラクションが用意されていましたが、

一行は忍者ショーと殺陣練習ショーを観覧しました。

私はショーというものをあまり見ない人生を送ってきたため、

プロジェクションマッピングと融合した忍者ショーに圧倒されました。

見慣れないスタントにハラハラし、子供向けの面白おかしいようなキャラクターたちを

子供の頃だったら考えなかったような目線で観覧するのは新鮮でした。

殺陣練習ショーでは役者さんのアドリブが素晴らしく、大人でも退屈しないようなショーでした。

 

続いて京都国際マンガミュージアムへ向かいます。

こちらでは研究員の應矢さんに案内していただきました。

表側だけではなく裏側も見ることができて大変興味深かったです。

自由時間の際には1000円ほどで似顔絵を描いてもらえるサービスを利用しようと目論んでいましたが、

残念ながら予約が終了していていました。

似顔絵を描いてもらうサービスは京都国際マンガミュージアム以外のところでもよく見かけますが、

こちらの施設では面白おかしいデフォルメ調の似顔絵ではなく、

マンガやアニメに登場するような絵柄で描いていただけます。

これが大変心残りなので、こちらのサービスを利用するためにもまた訪れたいです。

予定を1時間押した6時ごろに京都国際マンガミュージアムを出発し、

徒歩で四条河原駅へ向かいます。

道中では美味しいチョコレート屋さんを発見し、空腹のせいもあってつい購入していました。

年を取るたびに甘味に対する欲望が薄れつつあるので、

久しぶりにチョコレートへの情熱を思い出しテンションが上がりました。

昔からチョコレートが大好きで一生食べ続けると思っていたのに、

20歳を超えてお酒を飲み始めると不思議とチョコレートから足が遠のいています

。何とも言えない寂寥感…老けたのかな…。

四条河原駅周辺に到着すると、一時解散して夕食を兼ねたフィールドワークをしました。この辺は初めてなので高いデパートに圧倒され、東京と似ている印象を持ちましたが、碁盤の目のように整備された道が京都らしいと感じました。

 

9月5日

本日は最初に宝塚の手塚治虫記念館へ向かいます。

宝塚駅から手塚治虫記念館へ向かう道中には宝塚劇場があり劇団員たちが入っていく様子を見ることが出来ました。

顔が小さく背が高くすらっとしていて、思わず目を奪われてしまいます。

噂に聞いていたファンの統率された様子も見ることができたので良い経験になりました。

間もなくして手塚治虫記念館に到着し、火の鳥のモニュメントと記念撮影をした後ロビーへ。

有名なアトムの等身大(?)フィギュアがあり手塚治虫ワールドへご招待されました。

私は手塚先生の作品をしっかり見たことはないのですが、

ブラックジャックが小学校の図書室にあり、とびとびで見たことがあったので、

手塚先生が医学部だったことに興味をひかれました。

大の虫好きで名前が治虫(当初は“おさむし”と呼んでいた)等の初級知識は持っていたものの、

家柄が高く裕福で知識人の血を引いていたことは全く知らなかったため、

改めて手塚先生の天才と呼ばれる所以が分かりました。

頭のいい人は絵が上手い人が多いとよく言いますが、彼のように学も深ければ違う生き方もあっただろうに、

ハードな人生を送ってまで、日本マンガ・アニメを発展させる立役者となっていただいて、

本当感謝してもしきれないです。ありがとう手塚先生。

その後は先程通りがかった宝塚劇場へ向かい、念願の羽を背負う経験をしました。

身長がないのでクジャクというよりも鶏のような感じですが、満足しました、楽しかったです。

 

私は最近アイドルゲームに熱が上がっているので、衣装の展示をとても興味深く感じました。

ゲーム内ではもちろん衣装を作る過程は入っていませんが、

ゲームクリエイターが衣装のデザインを企画で出したりする過程が裏側であって、

そのデザイン画は展示されているようなものと大きく差はないのではないか、と感じます。

ファンとしてはこういうスタッフの裏側、というものに高揚を隠し切れないので、もっと出してほしいものです。

昼食をとって劇場を出発すると、グリコピアで工場見学をしました。

クッキーのグリコやポッキーを生み出す江崎グリコさんの工場はやはり機械が多く、機械の精密な動きに圧倒されました。

ポッキーが段ボールに箱詰めされる過程は言語化がいささか難しく、ぜひ見てほしいです。

それから何といっても「The Legend of Pokky」は記憶に残る名作でした…。

古めのCGは時代を感じ郷愁が漂います。

ストーリーはここでしか見られないので、これを見るためにもぜひ行ってみてほしいです。

一言で言うと力を合わせてポッキーになる物語、でしょうか。

 

神戸三宮周辺では美味しい鶏のお店で夕食を楽しみました。

商業ビルの上で眺めがよく三宮駅を上空から楽しみました。

西洋建築のおしゃれな感じが好きな女子なので異人館街でフィールドワークをしましたが、

残念ながらほとんどのお店が閉まり真っ暗…

道中のローソンですら色抑えめでしとやかな立ち姿であったのに、

スマホカメラでは収めることができませんでした。

暗闇でも少ない街灯に照らされた建物の輪郭や造形は綺麗とわかる町並みでした。

今度は昼に行ってみたいと思います。

 

宿へ帰った後は懇親会をしました。

当初は乗り気ではないように見えたゼミ生一同も、

呼びかけると集まってきて、結局全員集合し和やかな懇親会になりました。

色々と楽しい話を聞いたような気がするのですが、

眠さと疲れで実はほとんど記憶に残っていません…

おつまみのポップコーンが美味しかったです。

 

9月6日

最終日の朝は懇親会の影響でとてもしんどく感じました。もっと寝ていたい…

なんば駅のコインロッカーに荷物を預けた後は森野サンプルさんでパフェの食品サンプルを制作しました。

 

食品サンプルは日本の誇る技術、とメディアで取り沙汰されよく注目されていますよね。

そのことは知っていたものの薄い興味しか持てていませんでしたが、

実際に職人さんの話を聞き、作ってみると大きく印象が変わりました。

 

昔から何かを創ることは好きだったので、パフェの構図を考えたりニスを塗ったりする作業がとても楽しかったです。

簡略化された過程で初心者でも楽しく作れるようになっていましたが、

職人さんたちは本物の料理からどのような過程でサンプルを作っていくのかを考えていかなければならないため、

多くの経験に培った力が必要で一人前になるためには多くの苦労が必須なのだと感じました。

 

食品サンプルの工房にもお邪魔しましたが、散らかった感じや汚れた感じに、生きた工房の忙しなさがありました。

とても新鮮で貴重な体験をしました。

昼食は千房本店でお好み焼きをいただきました。

お店に入る前に周辺の薬局で栄養ドリンクを購入しましたが、

お店の店員が殆ど中国人と韓国人でお客さんもその旅行客ばかりで奇妙な体験をしました。

店員さんは同じ国の人だとわかるとあちらの言葉で「いらっしゃいませ~」を言うので

国内なのに、海外旅行したかのような多国籍感を味わいました…。

お好み焼きは勿論美味しかったけれど、店員さんのアドリブやパフォーマンスも愉快でした。

一人一枚、量多くないか?と危惧していましたが、意外と食べられましたね。

その後はなんば駅のロッカーまで戻り荷物を取り出して各自解散でした。

 

☆おまけ

 私は翌日にUSJへ行ったので、話題のフライングダイナソーに乗車してきました。絶叫系は得意ではありませんが、新感覚で新鮮なので勇気を出して行ってみるものだと思いました!

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